近年、「富裕層」や「超富裕層」と言った言葉が飛び交うようになった。
とはいえ、実際の富裕層や超富裕層がどんなライフスタイルを送り、またなにを求めているのかを気になっている方は多いのではないだろうか。
実際に海外における取り分け欧米豪の超富裕層が、日本に訪れる際に求めるポイントが3つあると言われております。本記事は、それらのポイントを1つずつ事例と合わせながら説明をしていきたい。
<大切な3つのポイント>
1、ハード面=施設
2、インフラ=移動手段
3、サービス=特別感
日本には、外資系のラグジュアリーホテルや高級旅館も数多く存在し、飛行機や新幹線においても利便性や安全性においては世界と比較してもトップクラスと言えるだろう。
しかし、ここで重要なのは、「超富裕層の彼らにとって」という部分となる。
実は超富裕層からは、日本にはまだ自分たちを十分に満足させる滞在型施設・移動手段がほとんど整っていないと思われているのである。
最初に、超富裕層にもっとも重要とされている「ハード面=施設」の事例をお伝えしたい。まず、世界の超富裕層向けのラグジュアリー・レジデンスを見てみることで、彼らが求めるものが浮かび上がってくる。
たとえば、イギリスのOne Hyde Park(ワン・ハイド・パーク)。
ロンドン中心部にありながら、緑豊かな公園ハイドパークの南に位置し、眺望の良さは抜群です。86の住戸があり、1住戸の販売価格は約11億円~250億円だといわれています。
レジデンスの管理や入居者への各種サービスの提供は、隣接しているマンダリンオリエンタルホテルが担っているのだ。
このようなラグジュアリー・レジデンスでは、基本的に、室内の家具などの調度品はホテルと同じかそれ以上のクオリティとなっており、滞在期間中はホテルと同じサービスを受けられるようになっている。ここで提供されるサービスは国際レベルで認知されているラグジュアリーホテルなどのブランドを前面に出したレジデンスとなる。
次に、彼らの「インフラ=移動手段」についてはどうだろうか。
ラグジュアリー・レジデンスを購入するような人は、バスや電車などの公共交通機関は基本的に利用しません。
プライベートが確保され、自由気ままに移動でき、ストレスのないことが前提条件となり、その上で、ラグジュアリーな仕様など、移動空間の快適性も重視するのである。
したがって超富裕層の多くは、プライベートジェットやヘリコプター、クルーザーなどを好むのだ。
では、提供する「サービス=特別感」はどうだろうか。
多くの超富裕層に共通していると思われるのは、そこでしかできない「唯一無二」の体験である。彼らは、価値を感じるもの、「本物」には、糸目を付けないお金の使い方をする。
たとえば、ある神社を拝観し感銘を受けたため、その場で数百万円奉納した、工芸品などの逸品を多数購入して1回の滞在で1億円使った……などということが起きていると耳にします。加えて、日本でしかできない体験を彼らが満足する形で提供するためには、完全にパーソナルなアテンドを行うことが重要になるだろう。
最後に、日本が今後欧米豪の「富裕層」や「超富裕層」のマーケットを獲得するためには
日本でしかできない体験、つまり歴史・文化を感じることで、日本が有する多彩な自然環境を享受し、その保全に貢献したりなど、日本での滞在が彼らにどのような価値をもたらすのか、一から考えることが必要だ。