写真:© RICH PEDRONCELLI/ASSOCIATED PRESS
無料・無制限の翌々日配送や映像・音楽ストリーミングサービスなどが利用できるアマゾンのプライム会員。アナリストによると、米国でインターネット接続のある世帯の半分超がプライム会員を利用しており、ほぼ全ての富裕層がこの中に含まれていると推定している。
米アマゾン・ドット・コムは、このような状況を踏まえ、2018年3月7日に5.99ドル(約630円)の月会費制プランの対象にメディケイド(低所得者向け公的医療保険)加入者を追加すると発表した。プライム会員は通常、年額99ドルまたは月額12.99ドルを支払わなければならないが、米国の人口の2割に上るメディケイド加入者にも割引を適用する。アマゾンは昨年、政府の「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」というフードスタンプ(食料配給券)受給者などを対象に、この割引制度を導入している。今回のメディケイド加入者の追加により、低所得層の呼び込みを巡ってウォルマートに対抗する姿勢を強める構えだ。
対象的に、米小売り最大手であるウォルマートは、より所得の多い消費者を呼び込むため、昨年終盤に「walmart.com」で百貨店ロード・アンド・テイラーの商品を販売すると発表するなど、高級ショップの引き入れを進めている。先週は衣料品のプライベートブランド(PB)の多くを、やや価格設定が高く、流行を重視した商品に入れ替えた。
当社独自調査でも、日本の富裕層の多くが同様にAmazonを始めとした通販サイトを利用している。当然ながら富裕層向けインターネット戦略をどう進めるかをしっかり考える必要はあるが、富裕層ビジネスにおいてもインターネット戦略が必要不可欠であることのひとつの事例であると言えるだろう。
当社では、富裕層向けのインターネット戦略に関する相談も随時受け付けているので、特に戦略の立案や方向性の決定などでお困りの方はぜひ一度お問い合わせいただきたい。